事例紹介

県内某中学校様 体育館音響設備一部改修

県内某所 中学校 体育館音響設備のスピーカー設置工事の事例です。

学校の体育館などでは、入学式・卒業式だけでなく、雨の日の朝礼などでも使用することに加えて、
最近ではダンスの授業でも音響機器を使用する様子。
有線マイク、ワイヤレスマイク、ミキサー、アンプ、スピーカーといった機器構成で、拡声設備とも表現できます。

体育館の拡声設備はとても難易度が高い設備と言えます。

まず、

壁と床が硬い → 反射係数が高い
+ 窓ガラスで採光している → 反射係数が高い
+ 壁が平行 → フラッターエコーが生じやすい
- 一部、有孔ボードで吸音効果があるみたい
= 残響時間が長く、明瞭度が悪くなりがち。

 

さらに バスケットボールがぶつかっても壊れてはいけない → 堅牢性が必要

 

建築物によって、その空間の音響効果がほぼ決まってしまうため、
我々の「電子音響」では、明瞭度を高める工夫・・・が第一となります。

 

今回は、既設のセンタースピーカー(写真上部のジャージネット部分)のツイーター部分が壊れてしまったようで
設置後20年以上経過したスピーカーの修理よりも、新たにアレイスピーカーを設置する計画となりました。
(既設のスピーカーも、ウーハー等いずれ壊れる事が容易に想像できましたので)
既設のアンプ、ミキサーをそのまま流用し、経済的でかつ最適なスピーカーの提案を求められた現場でした。

 

通常、スピーカーからの放射された「音」は、聴講者へ直接届く「音」に加えて、壁や床に反射した「音」さらに反射の反射の「音」が混ざった状態で届くと、明瞭度が低下します。
また、点音源であるスピーカーからの「音」は、距離の二乗に反比例する放射をするため、「音」は遠くに届きにくくなります。
つまり、スピーカーの近くだと「うるさく」、遠くになるにつれ「小さく」なります。

 

そこで、明瞭度を稼ぐために、アレイスピーカーを選定。
完全なラインアレイスピーカーであるかは、少し疑問があるのですが、今回取り付けたスピーカーは
距離減衰が通常のスピーカーよりも少なく、天井方向への拡声を減らすために反射音をおさえ、明瞭度が高まることが期待できました。
そして、なによりも堅牢!

 

スピーカーの位置(高さ)は、直接音のカバーエリアが明確である為、きちんと計算の上、見栄えも含めて検討を進めました。

設置後の調整時、低音と高音の無いスカスカな音が出たため、実はものすごく焦ったのですが、
既設ミキサーにPGEが内蔵されており、調整することで心地よい拡声ができるようになりました。
ダンス等でCDを流すのであれば、ウーハーがあると、よりノリノリになるような気もしますが、メインは講演ですのでウーハーは必要ありません。
舞台袖設置ということもあり、ハウリングの発生も少なく、音響のプロでなくても簡単にご利用いただけるシステムとなりました。

 

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