事例紹介

移動体(360度)対応地上デジタル放送アンテナの設置

地デジ(地上デジタル放送)のアンテナといえば、建物の屋上に設置し、放送基地局に向けて、高さ・雑音指数などを調整して設置するのが通常です。

車など移動するアンテナには、ホイップアンテナやダイバーシティを組合わせて、できるだけ良い電波を捕まえることができるよう工夫されています。

 

では、船は??

 

海上では基地局からの電波が強く受信できるのに対し、島陰に入ったり、寄港のための旋回などにより受信が不安定になってしまいます。

とはいえ、アナログ電波の時ほど酷くないだろう・・とずっと思っていました。(昔はひどかった・・・電波の届く範囲が変わればchも変わるったり、アナログゆえのゴースト(二重映り)があったり)

地デジになってからは、比較的低い電界強度でも受信できるし、ゴーストもないため奇麗になったもんだ・・・と喜んでいましたが、

「アボアさん・・・なんとかしてーや」とご依頼いただきました。

 

すでに船舶用の360度サーチ式アンテナは設置されており、実際に船に乗り込んで受信チェックをしたところ

「え?いいじゃん・・・受信できるじゃん・・・」と感じた矢先・・・・島陰に入ると途端に信号レベルが下がり、さらに旋回するとほぼゼロに・・・

 

あららぁ・・・・

 

え?360度アンテナどうした???と、船長に確認したところ、

「こいつは、電源を入れなおししないとサーチしないのよ・・・」と。

 

「えー」

 

ちょっと自信ないなぁ・・・・

メーカーさんにちょっと相談しながらやらなくちゃ・・・・

理論的には120度×3あれば360度だから、1つのアンテナの指向性が120度あれば全方向カバーできるけども

それらを合成したときに打ち消しあったりしないかなぁ・・・・心配だなぁ・・・・一度確認してからじゃないとやばそうだな・・・

 

と、メーカーさんと相談しながら、デモ機を調達し、実際に電界強度を確認。

お。。。旋回中もドキドキしながら測定器とにらめっこ・・・・

いけそうじゃ・・・・・

 

 

既設 無線アンテナポールに設置

 

完成しました。

おそらく、360度サーチアンテナよりも格段に安くできました。

(さびないステンレスのアンテナ金具の設計にものすごく苦労しました・・・)

 

心配なのは大潮も含めた潮位の変化。地デジアンテナは高さが1m前後で雑音指数が大きく変化するため

その日その日でかなり受信できる電波にムラがあるのではないだろうか?

 

と、心配していましたが、その後特に何の不具合もなく、

船舶をご利用のお客様に、ニュースなどを提供できているご様子。安心しました。

最近は大型の台風や、ゲリラ豪雨なども各地で多発しているため、ニュースなどの情報をリアルタイムに提供するには

このようなテレビ情報が手っ取り早くてよいですね。

事例の一覧に戻る